【決算分析】ステップ2020.9期

ステップ

仮説検証

ステップの2020.9期決算発表を踏まえ、仮説検証する。

「ステップ仮説構築-2024.9」参照

以下の定量分析の各指標についてはこちらを参照ください。

スクリーニング

<概要>
神奈川県中西部軸に学習塾「ステップ」運営。県立トップ高受験に強み。横浜、川崎地区を攻略中(ヤフーファイナンス)

1.スクリーニング(191216更新)の基準を確認する。
⑴中小型株:時価総額1,000億円以下→〇
⑵理解の及ぶ業界(ITや医薬品等を除くという意味)→〇
⑶10年間、営業利益、経常利益、当期純利益が黒字(また90%以上の減益も除外)→〇
⑷4つの指標(粗利、営利、当利、ROA)について、各年で全て1点以上を「クリア」とすると、「クリアした年が10年間で8年以上」かつ、「非クリアの指標が存在する年が2年連続しない」企業を、「監視銘柄」とする。→〇(以下参照)

ステップの場合は

以上、収益力はコロナによる休講等で返金・値下げなどあるも、6月以降持ち直し監視基準は確保した格好。

投資妙味

(1)PER×PBR
(2)PEGレシオ
(3)時価総額

基準は以下の通り。

ステップの場合は、

以上、右列に着目すると10点満点中、6点となっており、
投資妙味味は今一つ。

定量分析①

<目的:財務3表を要約→3表の構造、主要科目と、それらの変化をつかむ>

やること:各企業の財務3表で、主要部分(80%が目安)をグラフにする。

⑴BSの要約



規模 22,919M→26,036Mと、前年比13.6%増。
内訳 資産
・有形固定資産(新校舎建物、土地)が最も多いが減価償却費程度の投資のため横ばい。
・借入を実施し、現預金増加。
負債・純資産
・自己資本比率は低下。

⑵PLの要約



収入 ・コロナ禍で教室・生徒数増加キープも、休講・返金があり売上高は前期比△5.7%。
支出 ・売上原価は+1%、販管費+1.2%で利益率低下。
→売上原価は2020.9期、一過性要因(前期の特別賞与184M、備品費・修繕費101M)が一服も、講師数・教室数は増加。
・給料・手当は△1%(正社員+平均臨時雇用人員:1,009人→1,042人で+3%)※特別賞与剥落
・役員報酬+7.1%、支払手数料+54.5。

⑶-1CFの要約







残高 着実に増えている。
イン 税引前当期純利益に加え、直近は借入金。
アウト 法人税等、有形固定資産、配当金が多くを占める。

参考

⑶-2営業CFと投資のバランス



コロナで営業CF減少も、投資負担は営業CFで賄えている。

『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 』の「消費者独占企業を見分ける8つの基準」の基準5と6に対応している。

定量分析②

<目的:財務3表をそれぞれ関連させ利益の質を分析する>
+α:投資効果、債券と捉えた場合の考察

やること:各企業の財務3表で、以下の指標を時系列グラフにする。

⑴CF→PL
一つ前の記事でCFを見たので、PLもそれに見合うものかを確認する。



例年と違う会計フローが発生し売上債権や未払金の出入りがあるも、会計発生高はマイナスで安定。
【会計発生高の主な項目】
(税前-当期法人税)+特損-(税前+特損-前期法人税)
→前期法人税が当期法人税より大きいと、会計発生高はプラス方向
=会計上の利益が会計操作されている可能性は少ない。
※会計発生高=当期純利益+特別損失ー特別利益ー営業CF

⑵PL→BS
⑴まででCF、PLと見てきたのでBSに歪みが生まれていないかチェックする。
まず、PLとBSの組み合わせであるROA単体の推移を分析する。


ROAは直近で急低下。
減収による営業利益率低下・現預金/借入金両建てによる総資本回転率の低下が原因だが、一過性のものと考えられるため問題なし。
→利益の質に問題なし。
→BSを歪めて(費用を資産として先送りして)利益率を高く見せている可能性は低い。
→⑴と、ROA単体の分析から、当社の利益の質は高いと判断できる。

次に、本業投下投資CFと関連付けて考えると、
・投資規模は比較的小さく、ROAへのインパクトは小さい。

⑶EPSとROE


『億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術 』​によると、バフェットは消費者独占型企業への投資を債券への投資ととらえ、
EPS=債券の利子
ROE=債券の額面に対する利率
と考えている。
その観点で上のグラフを見ると利子・利率ともに下落。

PER

過去PERの平均値は以下の通り。
※計算方法
2020.1PER→2020.1月末株価÷2020.3期EPS

投資判断

2020.9期決算から投資判断をする。

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