コンテンツ
理論株価計算の流れ
以下の流れで将来のEPSと妥当なPERを仮定し、最終的にEPS×PERで理論株価を求めていきます。投資するとき/売却するときの価値基準として理論株価を使用することで、メンタルに左右されない取引が可能になります。
私の理論株価計算の流れ
STEP①売上高成長率を仮定する
STEP②変動費と固定費を概算する
STEP③コストの先行きを予想する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP②変動費と固定費を概算する
STEP③コストの先行きを予想する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP①売上高成長率を仮定する
【(9769)学究社】(2021.3期)
成長余地 | 成熟 | 【現状】中堅 |
ストックKPI成長率 | 校舎数 | 【現状】+5.0% (2013.3~年平均成長率) |
KPI成長率と市場成長率より、売上高成長率は3~5%と仮定。
STEP②変動費と固定費を概算する
▽2021.3期有価証券報告書より
連結決算では内訳が分かりにくいので、単体の方を参考にします。
変動費と固定費に分類する
以下のように分類しました。(単体)
【変動費】1,481M
・売上原価(固定費控除)=1,293M
・支払手数料(SGA)=188M
→売上高10,049Mなので変動費率14.7%
・売上原価(固定費控除)=1,293M
・支払手数料(SGA)=188M
→売上高10,049Mなので変動費率14.7%
【固定費】6,781M
固定費=売上高-変動費-営業利益
=10,049M-1,481M-1,787M
=6,781M
固定費=売上高-変動費-営業利益
=10,049M-1,481M-1,787M
=6,781M
STEP③コストの先行きを予想する
【変動費率】
2016.3-2021.3期を基準に、今後5年間は15~17%と仮定
2016.3-2021.3期を基準に、今後5年間は15~17%と仮定
【固定費】
・人件費:140~180M/年増加
・賃借料:50~70M/年増加
・広告宣伝費他:-30~-10M/年増加
・人件費:140~180M/年増加
・賃借料:50~70M/年増加
・広告宣伝費他:-30~-10M/年増加
STEP④5年後の利益を計算する
【前提条件】(ここまでの整理)
・STEP①売上高成長率
2022.3~2026.3期:3~5%成長
→2026.3期:13,087~14,408M
・STEP③コストの先行き
変動費率
15~17%
固定費
160~240M/年増加
営業利益
2021.3:1,861M
2026.3:2,045~3,830M
・STEP①売上高成長率
2022.3~2026.3期:3~5%成長
→2026.3期:13,087~14,408M
・STEP③コストの先行き
変動費率
15~17%
固定費
160~240M/年増加
営業利益
2021.3:1,861M
2026.3:2,045~3,830M
簡略化し、営業利益の増加と比例してEPSが増加すると考えます。
2021.3EPS 100.6(営業利益1,861M)
2026.3EPS 110.6~207.0(営業利益2,045~3,830M)
2026.3EPS 110.6~207.0(営業利益2,045~3,830M)
STEP⑤妥当なPERを検討する
以下グラフの見方
・株価:2016.4=1
・EPS:2016.4=1
・PER:2021.3のPER=2021.3株価/2021.3予想EPS
過去平均PERは15倍となり、これを妥当な水準と考えます。
STEP⑥5年後の株価を計算する
STEP④5年後利益→2026.3 EPS 110.6~207.0
STEP⑤妥当なPER→15
↓
5年後株価:1,666~3,169円
STEP⑤妥当なPER→15
↓
5年後株価:1,666~3,169円
STEP⑦期待リターンを計算する
2021年7月2日終値1,375円を基準とすると、
・(3,169/1,375)^(1/5)-1=3.9%
・(1,666/1,375)^(1/5)-1=18.2%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
・(3,169/1,375)^(1/5)-1=3.9%
・(1,666/1,375)^(1/5)-1=18.2%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
まとめ
結局上記の計算の場合、現在の株価1,375円で投資すると、5年後の理論株価は1,666~3,169円になり、年率の期待リターンでは3.9~18.2%になることが導かれました。
しかし、売上高成長率をもっと高めに設定したり、コスト構造を再検討することで、違った結論になります。
ここの「微妙な調整」は、仮説検証を繰り返す中で少しずつ精度を高めていく必要があります。
コメント