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理論株価計算の流れ
以下の流れで将来のEPSと妥当なPERを仮定し、最終的にEPS×PERで理論株価を求めていきます。投資するとき/売却するときの価値基準として理論株価を使用することで、メンタルに左右されない取引が可能になります。
私の理論株価計算の流れ
STEP①売上高成長率を仮定する
STEP②営業利益率の基準を検討する
STEP③営業利益率レンジを検討する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP②営業利益率の基準を検討する
STEP③営業利益率レンジを検討する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP①売上高成長率を仮定する
【(8920)東祥】(2021.3期)
成長余地 | ①スポーツクラブ②ホテル③賃貸不動産 | ①②③いずれも大きくない |
ストックKPI成長率 | ①スポーツクラブ店舗数②ホテル棟数③賃貸不動産棟数 | 直近①7.4%②14.8%③7.5% |
【補足】
成長率を以下のように予想しました。
①スポーツクラブ店舗数:6%
(直近2年の平均成長率。10年のCAGRは9%程度なので成長率は低下している。)
②ホテル棟数:14%
(直近2年の平均成長率。10年のCAGRは18%程度なので成長率は低下している)
③賃貸不動産棟数:3%
(2020.3期売却前までの成長率)
成長率を以下のように予想しました。
①スポーツクラブ店舗数:6%
(直近2年の平均成長率。10年のCAGRは9%程度なので成長率は低下している。)
②ホテル棟数:14%
(直近2年の平均成長率。10年のCAGRは18%程度なので成長率は低下している)
③賃貸不動産棟数:3%
(2020.3期売却前までの成長率)
STEP②営業利益率の基準を検討する
東祥は3つの事業でそれぞれ売上高成長率、営業利益率を考えた方が妥当性が高いと考えています。
コロナ影響を受ける前(2019.3期)の営業利益率はそれぞれ以下の通り。5年後にはその水準に戻る前提です。
①スポーツクラブ:26%(=5,143/20,111)
②ホテル:26%(=1,409/5,514)
③賃貸不動産:37%(=600/1,633)
②ホテル:26%(=1,409/5,514)
③賃貸不動産:37%(=600/1,633)
STEP③営業利益率レンジを検討する
②を基に、保守的に2026.3期の各事業営業利益率は以下のように予想します。
①スポーツクラブ:24-26%
②ホテル:24-26%
③賃貸不動産:34-36%
②ホテル:24-26%
③賃貸不動産:34-36%
STEP④5年後の利益を計算する
【前提条件】(ここまでの整理)
・STEP①売上高成長率
2026.3
①スポーツクラブ店舗数:6%
→コロナ前2019.3期の売上高20,111Mから成長すると考える。
②ホテル棟数:14%
→コロナ前2019.3期の売上高5,514Mから成長すると考える。
③賃貸不動産棟数:3%
→2020.3期の不動産売却を反映し、2021.3期の売上高1,480Mから成長すると考える。
・STEP①売上高成長率
2026.3
①スポーツクラブ店舗数:6%
→コロナ前2019.3期の売上高20,111Mから成長すると考える。
②ホテル棟数:14%
→コロナ前2019.3期の売上高5,514Mから成長すると考える。
③賃貸不動産棟数:3%
→2020.3期の不動産売却を反映し、2021.3期の売上高1,480Mから成長すると考える。
・STEP③営業利益率レンジ
2026.3
①スポーツクラブ:24-26%
②ホテル:24-26%
③賃貸不動産:34-36%
営業利益
2026.3
①スポーツクラブ:7,257~7,862M
②ホテル:3,311~3,587M
③賃貸不動産:583~617M
簡略化し、営業利益の増加と比例してEPSが増加すると考えます。
2019.3EPS 105(営業利益7,164M)
2026.3EPS 163.5~176.9(営業利益11,152M~12,067M)
2026.3EPS 163.5~176.9(営業利益11,152M~12,067M)
STEP⑤妥当なPERを検討する
以下グラフの見方
・株価:2013.3=1
・EPS:2013.3=1
・PER:2021.3のPER=2021.3株価/2021.3予想EPS
過去平均PERは23倍となり、これを妥当な水準と考えます。
STEP⑥5年後の株価を計算する
STEP④5年後利益→2026.3EPS 163.5~176.9
STEP⑤妥当なPER→23
↓
5年後株価:3,878~4,139円
STEP⑤妥当なPER→23
↓
5年後株価:3,878~4,139円
STEP⑦期待リターンを計算する
2021年5月7日終値1,811円を基準とすると、
・(4,139/1,811)^(1/5)-1=18.0%
・(3,878/1,811)^(1/5)-1=16.4%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
・(4,139/1,811)^(1/5)-1=18.0%
・(3,878/1,811)^(1/5)-1=16.4%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
まとめ
結局上記の計算の場合、現在の株価1,811円で投資すると、5年後の理論株価は3,878~4,139円になり、年率の期待リターンでは16.4~18.0%になることが導かれました。
(配当水準が戻ればさらに上乗せ)
しかし、売上高成長率をもっと高めに設定したり、コスト構造を再検討することで、違った結論になります。
ここの「微妙な調整」は、仮説検証を繰り返す中で少しずつ精度を高めていく必要があります。
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