【決算分析】プレミアグループ2021.3期

プレミアグループ

基本情報

中古車オートクレジットとワランティ(故障保証)の2本柱。整備・板金育成、東南アに展開(ヤフーファイナンス)

仮説検証

2021.3期決算発表を踏まえ、仮説検証する。

【仮説】(2020.3期時点)

前提:校舎数、合格実績の堅調増加による業績拡大
2021.3期EPS予想レンジ 88.5 ~ 110.7

【検証】(2021.3期時点)

2021.3期EPS(実績) 186.7
予想平均値からの乖離率 +63%

≪上方乖離の理由≫
保守的に見ていたKPI成長率をしっかり上回った。
①売上高(営業収益)はKPI堅調増加の結果、27.2%増収。 (予想:+12~18%)
②変動費率は低下(38.6%→33.3%)して2018.3-19.3期に近い水準に。
③固定費は7,048M→8,930Mに増加(+1,882M)。 (予想:+1,150~1,250M)
 
≪参考≫2020.3期 2021.3期増加率
クレジット債権残高(M)321,349361,40512.5%
故障保証事業取扱高(M)4,363 4,4983.1%

決算概要

【BS】貸借対照表


規模
29,516M→68,156Mと、4年前比2.3倍。
資産
金融債権(自己資金による貸し付けの残高?)が最も多い。
負債・純資産
・自己資本比率は前期比上昇。

【PL】損益計算書


収入
・取扱高の堅調増加により、営業収益は4年前比2.3倍になった。
支出
・費用は2.3倍。営業利益率は若干低下。
・給与手当は+109%(正社員+平均臨時雇用人員:344→680で+98%)。
・事業拡大に伴う費用が増加。(支払保証料+107%、故障保証原価+117%)

【CF】キャッシュフロー計算書


(比較対象)

イン 税引前当期純利益、金融保証契約、借入金が多くを占める。
アウト 金融債権が多くを占める。

定量分析①(過去の収益性)


利益率は2018.3期並みに回復し、レバレッジによりROEはさらに上昇。

定量分析②(将来の収益性)

FCF(フリーキャッシュフロー)


金融債権の増加が小さく営業CFはプラスも、FCFはトントンくらい。

会計発生高

 
金融債権・その他金融資産の増加によりプラス。

ROA


ROAは3%前後。
・売上高当期純利益率に連動。
・横ばいの総資産回転率を分解すると「その他の金融資産回転率」が低下気味。
→2019.3は「未収金」「未収保証料」、2020.3は「未収金」「リース投資資産」などが増加。2021.3は「リース投資資産」「未収保証料」

定性分析

市場の成長性が説明できるか

オートクレジット信用供与額(日本クレジット協会)
2016年の4,202,926Mから2019年の 4,994,627 Mに増加
→年率(3年) 5.9% 成長

競争優位性が説明できるか

【対新規のプレーヤー】
・約2,000億円の準備資金が必要
・個人の信用調査/債権回収ノウハウ
→直近20年間の新規参入は当社のみ

【対既存のプレーヤー】
・銀行傘下の競合他社は法規制で提供できるサービスが限定的
→当社はラインナップが多い

その会社の成長サイクルが説明できるか

・国内は加盟店ネットワーク、ワランティを既存先へ
・海外も展開余地あり

まとめ

最後に、それぞれの分析結果についてまとめます。 以下の通り、優良な株であることは分かりましたが、投資するには割安度の視点も必要なので改めて別記事で考え方をまとめます。
STEP①定量分析(過去の収益性)
指標基準◎基準〇当社評価
売上高総利益率   
売上高営業利益率20%10%17%
売上高当期純利益率10%5%13%
ROE(営業利益ベース)10%5%28%
STEP②定量分析(将来の収益性)
切り口基準◎基準〇当社評価
FCF(フリーキャッシュフロー)安定してプラス大体プラス大体プラス
会計発生高安定してマイナス大体マイナス大体プラス
ROA上昇維持維持
STEP③定性分析
切り口判断
市場の成長性が説明できるか少しできる
競争優位性が説明できるか少しできる
その会社の成長サイクルが説明できるかあまりできない

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