【決算分析】要興業2021.3期

保有銘柄

基本情報

一般・産業廃棄物の収集運搬・処理・リサイクルの最大手。事業廃棄物は東京23区でトップシェア(ヤフーファイナンス)

仮説検証

2021.3期決算発表を踏まえ、仮説検証する。

【仮説】(2020.3期時点)

前提:定期収集現場数の堅調増加による業績拡大
2021.3期EPS予想レンジ 33.1 ~ 51.6

【検証】(2021.3期時点)

2021.3期EPS(実績) 39
予想平均値からの乖離率 -8%

≪下方乖離の理由≫
以下①~③の通り、減収を販管費削減で一部カバーした。
①売上高はKPI堅調増加の一方、リサイクル事業が足を引っ張り、1.7%増収にとどまった。 (予想:+3~6%)
→ストック事業(収集運搬・処分、行政受託)はともに増収で堅調。
②粗利率は17%→18%
③販売管理費は1,162M→1,060M(△102M)に抑制。 (予想:+120~130M)
→役員報酬△15M、給与手当△25Mなど
 
≪参考≫2020.3期 2021.3期 増加率
東京23区内収集拠点(現場)7,5027,791+3.9%

決算概要

【BS】貸借対照表


規模
17,542M→20,845Mと、4年前比1.2倍弱。
資産
・有形固定資産(リサイクルセンター)が最も多い。
負債・純資産
・自己資本比率は上昇。

【PL】損益計算書


収入
・定期収集現場数増加の一方、コロナによるゴミ取集量減少などがあり、売上高は4年前比+10%にとどまる。
支出
・売上原価は+14%。販管費は+0%。営業利益率低下。
・給与手当は+2%(正社員+平均臨時雇用人員:691→804で+16%)。

【CF】キャッシュフロー計算書


 (比較対象)

イン 税引前当期純利益、減価償却費が多くを占める。
アウト 有形固定資産が多かったがウェイトが低下し、借入金返済へ。

定量分析①(過去の収益性)


収益力は少し回復。稼働率回復の際の採算改善を期待したい。

定量分析②(将来の収益性)

FCF(フリーキャッシュフロー)


営業CF回復、投資負担継続減少でFCF拡大。鹿浜リサイクルセンターへの残りの投資金額からして、2022.3期も同等の投資負担と予想。

会計発生高


会計発生高はマイナスで安定。

ROA


ROAは底打ち。
営業利益(率)が回復するも、有形固定資産回転率は緩やかに低下傾向。
総資産に占める投資額の割合は低下傾向で、ROAに与えるインパクトは大きくない。

定性分析

市場の成長性が説明できるか

・市場拡大は見込めない。

競争優位性が説明できるか

・トップシェア→路線化進んでおり、運搬効率が良い

その会社の成長サイクルが説明できるか

・トップシェアによる財務基盤→設備投資→規制対応
→他社が対応できなくなったり、撤退を機にリプレイス

まとめ

最後に、それぞれの分析結果についてまとめます。 以下の通り、優良な株であることは分かりましたが、投資するには割安度の視点も必要なので改めて別記事で考え方をまとめます。
STEP①定量分析(過去の収益性)
指標基準◎基準〇当社評価
売上高総利益率40%20%18%
売上高営業利益率20%10%8%
売上高当期純利益率10%5%6%
ROA(営業利益ベース)10%5%4%
STEP②定量分析(将来の収益性)
切り口基準◎基準〇当社評価
FCF(フリーキャッシュフロー)安定してプラス大体プラス安定してプラス
会計発生高安定してマイナス大体マイナス安定してマイナス
ROA上昇維持反発
STEP③定性分析
切り口判断
市場の成長性が説明できるかできない
競争優位性が説明できるか少しできる
その会社の成長サイクルが説明できるか少しできる

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