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理論株価計算の流れ
以下の流れで将来のEPSと妥当なPERを仮定し、最終的にEPS×PERで理論株価を求めていきます。投資するとき/売却するときの価値基準として理論株価を使用することで、メンタルに左右されない取引が可能になります。
私の理論株価計算の流れ
STEP①売上高成長率を仮定する
STEP②変動費と固定費を概算する
STEP③コストの先行きを予想する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP②変動費と固定費を概算する
STEP③コストの先行きを予想する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP①売上高成長率を仮定する
【(6099)エラン】(2020.12期)
成長余地 | 病院契約数 | 【現状】1,070(14.4%) |
成長余地 | 老健契約数 | 【現状】242(6.3%) |
ストックKPI成長率 | 月間利用者数 | 【現状】+15%(8年成長率) |
【補足】
5年後までの成長率は13~17%と考えました。
5年後までの成長率は13~17%と考えました。
STEP②変動費と固定費を概算する
連結決算で分かる範囲で考えます。
(連結・非連結で売上高同等、利益差大きく参考にしにくい)
変動費と固定費に分類する
以下のように分類しました。
【変動費】20,127M
売上原価(商品、業務委託手数料)19,492M
支払手数料(SGA)261M(単独決算のとき売上高の1%程度)
外注費(SGA)260M(単独決算のとき売上高の1%程度)
貸倒引当金繰入(SGA)114M
→売上高26,056Mなので変動費率77.2%
売上原価(商品、業務委託手数料)19,492M
支払手数料(SGA)261M(単独決算のとき売上高の1%程度)
外注費(SGA)260M(単独決算のとき売上高の1%程度)
貸倒引当金繰入(SGA)114M
→売上高26,056Mなので変動費率77.2%
【固定費】3,861M
売上原価+販売費及び一般管理費ー変動費
=19,493+4,495ー20,127=3,861M
売上原価+販売費及び一般管理費ー変動費
=19,493+4,495ー20,127=3,861M
STEP③コストの先行きを予想する
【変動費率】
・直近の77.2%→今後も配送費高騰見込み
→以下のように予想
2021.12~2025.12:77~79%
・直近の77.2%→今後も配送費高騰見込み
→以下のように予想
2021.12~2025.12:77~79%
【固定費】
人員拡充に係る人件費増加300M(毎年40-60人前後増加)
他の販管費150M
→固定費420~480M/年増加
人員拡充に係る人件費増加300M(毎年40-60人前後増加)
他の販管費150M
→固定費420~480M/年増加
STEP④5年後の利益を計算する
【前提条件】(ここまでの整理)
・STEP①売上高成長率
2020.12:26,056M(連結)
2021.12~2025.12:13~17%
・STEP③コストの先行き
変動費率
2025.12:77~79%(連結)
固定費
2020.12:3,861M
2025.12:5,961~6,261M(連結)
営業利益
2025.12:4,120~6,878M
・STEP①売上高成長率
2020.12:26,056M(連結)
2021.12~2025.12:13~17%
・STEP③コストの先行き
変動費率
2025.12:77~79%(連結)
固定費
2020.12:3,861M
2025.12:5,961~6,261M(連結)
営業利益
2025.12:4,120~6,878M
簡略化し、営業利益の増加と比例してEPSが増加すると考えます。
2020.12EPS 23.9(営業利益2,068M)
2025.12EPS 47.6~79.5(営業利益4,120~6,878M)
2025.12EPS 47.6~79.5(営業利益4,120~6,878M)
STEP⑤妥当なPERを検討する
以下グラフの見方
・株価:2015.4=1
・EPS:2015.4=1
・PER:2021.3のPER=2021.3株価/2021.3予想EPS
過去平均PERは36倍となり、これを妥当な水準と考えます。
STEP⑥5年後の株価を計算する
STEP④5年後利益→2025.12EPS 47.6~79.5
STEP⑤妥当なPER→36
↓
5年後株価:1,538~2,527円
STEP⑤妥当なPER→36
↓
5年後株価:1,538~2,527円
STEP⑦期待リターンを計算する
2021年4月23日終値1,350円を基準とすると、
・(2,527/1,350)^(1/5)-1=12.2%
・(1,538/1,350)^(1/5)-1=1.6%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
・(2,527/1,350)^(1/5)-1=12.2%
・(1,538/1,350)^(1/5)-1=1.6%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
まとめ
結局上記の計算の場合、現在の株価1,350円で投資すると、5年後の理論株価は1,538~2,527円になり、年率の期待リターンでは1.6~12.2%になることが導かれました。
しかし、売上高成長率をもっと高めに設定したり、コスト構造を再検討することで、違った結論になります。
ここの「微妙な調整」は、仮説検証を繰り返す中で少しずつ精度を高めていく必要があります。
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