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理論株価計算の流れ
以下の流れで将来のEPSと妥当なPERを仮定し、最終的にEPS×PERで理論株価を求めていきます。投資するとき/売却するときの価値基準として理論株価を使用することで、メンタルに左右されない取引が可能になります。
私の理論株価計算の流れ
STEP①売上高成長率を仮定する
STEP②各事業の営業利益率を推定する
STEP③営業利益率の幅を検討する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP②各事業の営業利益率を推定する
STEP③営業利益率の幅を検討する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP①売上高成長率を仮定する
【(4809)パラカ】(2020.9期)
成長余地 | 駐車場が充足するまで | 【現状】まだまだ違法駐車あり |
ストックKPI成長率① | 賃借駐車場車室 | 【現状】+9%(5年成長率) |
ストックKPI成長率② | 保有駐車場車室 | 【現状】+5%(5年成長率) |
【補足】
保有駐車場、賃借駐車場それぞれの売上高推移を基に5年後までの成長率仮定は下記の通り。
賃貸駐車場:4%
保有駐車場:5%
その他:2%(保守的に)
保有駐車場、賃借駐車場それぞれの売上高推移を基に5年後までの成長率仮定は下記の通り。
賃貸駐車場:4%
保有駐車場:5%
その他:2%(保守的に)
STEP②各事業の営業利益率を推定する
コロナ終息後に元々の収益性に戻ると仮定します。
前提知識①
▼2019.9期(=コロナ前)の決算説明会資料より
前提知識②
賃借駐車場のうち、方式別の車室の割合は以下の通り。(IRに照会しました)
固定方式:還元方式=65:35
従って、営業利益率は以下の通り。
営業利益率 | 比率 | |
賃借駐車場(固定) | 10% | 65% |
賃借駐車場(還元) | 5% | 35% |
加重平均すると賃借駐車場の営業利益率は
10%×65%+5%×35%=8.3%
STEP③営業利益率の幅を検討する
営業利益率(楽観) | 営業利益率(悲観) | 平均 | |
賃借駐車場 | 9.6% | 7.0% | 8.3% |
保有駐車場 | 73% | 67% | 70% |
STEP④5年後の利益を計算する
【前提条件】(ここまでの整理)
STEP①売上高成長率
賃貸駐車場:4%(2020.9期=10,227M)
保有駐車場:5%(2020.9期=1,768M)
その他:2%(2020.9期=476M※全体から賃貸・保有を除いた数字)
STEP④営業利益率の幅
賃貸駐車場:9.6%~7.0%
保有駐車場:73%~67%
その他:4%~6%
営業利益
2025.9:2,768~3,292M
営業外費用
支払利息200Mがコンスタントに発生
経常利益
2025.9:2,568~3,092M
STEP①売上高成長率
賃貸駐車場:4%(2020.9期=10,227M)
保有駐車場:5%(2020.9期=1,768M)
その他:2%(2020.9期=476M※全体から賃貸・保有を除いた数字)
STEP④営業利益率の幅
賃貸駐車場:9.6%~7.0%
保有駐車場:73%~67%
その他:4%~6%
営業利益
2025.9:2,768~3,292M
営業外費用
支払利息200Mがコンスタントに発生
経常利益
2025.9:2,568~3,092M
簡略化し、経常利益の増加と比例してEPSが増加すると考えます。
2020.9EPS 75.5(経常利益1,185M)
2025.9EPS 163.6~197.0(営業利益2,568~3,092M)
2025.9EPS 163.6~197.0(営業利益2,568~3,092M)
STEP⑤妥当なPERを検討する
以下グラフの見方
・株価:2009.4=1
・EPS:2009.4=1
・PER:2021.3のPER=2021.3株価/2021.3予想EPS
過去平均PERは10倍
→「PER=10」はゼロ成長レベルなので、コロナ前のEPS成長率仮定の+6%を加味し、妥当なPER水準=16倍と考えます。
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP④5年後利益→2025.9EPS 163.6~197.0
STEP⑤妥当なPER→16
↓
5年後株価:2,648~3,133円
STEP⑤妥当なPER→16
↓
5年後株価:2,648~3,133円
STEP⑦期待リターンを計算する
2021年4月23日終値1,682円を基準とすると、
・(3,133/1,682)^(1/5)-1=13.2%
・(2,648/1,682)^(1/5)-1=9.5%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
・(3,133/1,682)^(1/5)-1=13.2%
・(2,648/1,682)^(1/5)-1=9.5%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
まとめ
結局上記の計算の場合、現在の株価1,682円で投資すると、5年後の理論株価は2,648~3,133円になり、年率の期待リターンでは9.5~13.2%になることが導かれました。
しかし、売上高成長率をもっと高めに設定したり、コスト構造を再検討することで、違った結論になります。
ここの「微妙な調整」は、仮説検証を繰り返す中で少しずつ精度を高めていく必要があります。
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