【決算分析】パラカ2020.9期

パラカ

基本情報

時間貸し駐車場運営・管理。土地賃借型を中心に、土地自社保有型も展開。地方都市展開に重点(ヤフーファイナンス)

仮説検証

パラカの2020.9期決算発表を踏まえ、仮説検証します。

【仮説】(2019.9期時点)

<決算説明資料の営業利益率を中心に考える方法>
前提:KPI(賃貸・保有駐車場(車室))の堅調増加による収益拡大
2020.9期経常利益予想レンジ 1,338M ~ 1,761M

【検証】(2020.9期時点)

2020.9期経常利益(実績) 1,185M
予想中央値からの乖離率 -23.5%

≪下方乖離の理由≫
コロナによる稼働率悪化、それに伴う賃借駐車場解約といった想定外の事態が起きたため。
①売上高は△11.5%(実績)。 (予想:賃貸+4.5%、保有+5%)
②経常利益率は9.5%に低下(△5.2ポイント) (予想:15.8%)
≪指標≫2019.9期2020.9期増減率
賃貸駐車場(室)26,51326,143-1.4%
保有駐車場(室)4,3894,5694.1%

決算概要

【BS】貸借対照表


規模
長期借入金増加により、34,034M→35,607Mと、前年前比+4.6%。
資産
・有形固定資産(保有駐車場)が最も多い。
負債・純資産
・自己資本比率は低下。

【PL】損益計算書


収入
・保有駐車場が堅調増加も、コロナで稼働率悪化し売上高は前年前比△11.5%。
支出
・売上原価は△7%。販管費は△3%。営業利益率は低下。
・給料・手当は△4%(正社員+平均臨時雇用人員:89人→88人で0.99倍)
・賞与引当金繰入額は△29%、役員報酬は+20%。

【CF】キャッシュフロー計算書


 (比較対象)

残高
一進一退。
イン
税引前当期純利益、減価償却費、長期借入金が多くを占める。
アウト
法人税等、有形固定資産が多くを占める。

以下の定量分析の各指標についてはこちらを参照ください。

定量分析①(過去の収益性)


直近の収益力はコロナ直撃で監視基準を満たさなくなった。

定量分析②(将来の収益性)

FCF(フリーキャッシュフロー)


営業CFはコロナで減少。保有駐車場は大型売却益がない一方で積極的に増やしたことで投資負担が営業CFを上回った。

会計発生高


直近期の減益により法人税が減った関係でプラスになっただけ。

ROA


ROAは低下継続。
コロナによる稼働率低下が、売上高営業利益率低下、総資産回転率低下の両方に影響を与えている。

定性分析

市場の成長性が説明できるか

 違法駐車はまだまだなくならないため、今後も駐車場の供給が必要。(ただし、量より質の方向性)

競争優位性が説明できるか

保有駐車場がもたらす「高収益性」「経営基盤」「金融機関/不動産会社との関係性」は小規模な同業他社の参入障壁になっていると考えていますが、パーク24など同業大手も真似しようとおもえば真似できると思います。

その会社の成長サイクルが説明できるか

保有駐車場増加を通じ地元不動産・金融機関と関係強化し賃借駐車場も増加させていく→保有駐車場車室は平均+5%

(当社決算説明会資料より)

まとめ

最後に、それぞれの分析結果についてまとめます。 以下の通り、おおよそ優良な株であることは分かりましたが、投資するには割安度の視点も必要なので改めて別記事で考え方をまとめます。
STEP①定量分析(過去の収益性)
指標基準◎基準〇当社評価
売上高粗利益率40%20%23%
売上高営業利益率20%10%11%
売上高当期純利益率10%5%6%
ROA(営業利益ベース)10%5%4%×
STEP②定量分析(将来の収益性)
切り口基準◎基準〇当社評価
FCF(フリーキャッシュフロー)安定してプラス大体プラス安定してプラス
会計発生高安定してマイナス大体マイナス大体マイナス
ROA上昇維持低下
STEP③定性分析
切り口判断
市場の成長性が説明できるかややできる
競争優位性が説明できるかややできる
その会社の成長サイクルが説明できるかできる

 

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