【決算分析】プレステージ・インターナショナル2021.3期

プレステージ・インターナショナル

基本情報

コールセンターに強いBPO。自動車事故や故障対応で損保関連が主。不動産管理分野も強化(ヤフーファイナンス)

仮説検証

2021.3期決算発表を踏まえ、仮説検証する。

【仮説】(2020.3期時点)

前提:総座席数の堅調増加による業績拡大
2021.3期EPS予想レンジ 25.8 ~ 33.7

【検証】(2021.3期時点)

2021.3期EPS(実績) 23.2
予想中央値からの乖離率 -22%

≪下方乖離の理由≫
①売上高は総座席数↑、キャパシティ率↓で△4.2% (予想:+5~7%)
②粗利率(←変動費率)は若干上昇(21.2%→22.6%)
③販売管理費は4,026M→3,962M(△64M)に抑制。 (予想:+180~200M)
 
≪参考≫2020.3期 2021.3期 増加率
座席数4,2304,710+11.3%

決算概要

【BS】貸借対照表


規模
9,053M→46,754Mと、12年前比5.2倍。
資産
現預金が最も多い。
有形固定資産はBPOキャンパス。
負債・純資産
・自己資本比率は70%前後。

【PL】損益計算書


収入
・総座席数の堅調増加により売上高は12年前比2.8倍になった。
支出
・売上原価は2.9倍。販管費は2.4倍。利益率低下。
・貸倒引当金は14倍。
・給料・手当は3.5倍(従業員+平均臨時雇用者:1,600→4,764人で3.0倍)。

【CF】キャッシュフロー計算書


(比較対象)
 
イン 税引前当期純利益が多くを占める。
アウト 法人税等、固定資産が多くを占める。

定量分析①(過去の収益性)


収益力は、2012.3/2013.3期以外安定して高い。

定量分析②(将来の収益性)

FCF(フリーキャッシュフロー)


投資負担はおおよそ営業CFの範囲内。2015.3期は富山BPOタウン建設費2,965M

会計発生高

 
会計発生高はマイナスで安定。

ROA


ROAは12%あたりで横這い。
営業利益率、総資本回転率ともに直近7期は安定。

定性分析

市場の成長性が説明できるか

・ゆるやかが市場拡大を見込む。
「矢野経済研究所BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査※非IT系BPO」
2019.3の1,735,170Mから2025.3の 1,915,200 Mに増加
→年率(6年) 1.7% 成長

・ロードサービスは、1996年(1997年?)の規制緩和まではJAFの独占。
→規制緩和以降、民間事業者のシェアが年々増加。
2020年時点で、国内で発生するロードサービス案件の50%弱が、民間ロードサービス事業者によりサービス提供される。
参考:
https://www.bigcompany.jp/useful/jaf/
https://seibii.co.jp/blog/contents/prestige-international-analysis/

競争優位性が説明できるか

・ロードサービス事業は一般的に提携工場や提携レッカー業者へ再委託
→当社は内製化により高付加価値化
※2021.3期ロードサービス現場対応のうち、内製割合(株式会社プレミアアシスト)は15.2%

【競合】
JRS
MS&ADグランアシスタンス
タイムズコミュニケーション

その会社の成長サイクルが説明できるか

・職場環境への投資→低離職率→ナレッジ蓄積
→高品質サービス→高収益→職場環境への投資

まとめ

最後に、それぞれの分析結果についてまとめます。 以下の通り、優良な株であることは分かりましたが、投資するには割安度の視点も必要なので改めて別記事で考え方をまとめます。
STEP①定量分析(過去の収益性)
指標基準◎基準〇当社評価
売上高総利益率40%20%23%
売上高営業利益率20%10%13%
売上高当期純利益率10%5%7%
ROA(営業利益ベース)10%5%11%
STEP②定量分析(将来の収益性)
切り口基準◎基準〇当社評価
FCF(フリーキャッシュフロー)安定してプラス大体プラス安定してプラス
会計発生高安定してマイナス大体マイナス安定してマイナス
ROA上昇維持維持
STEP③定性分析
切り口判断
市場の成長性が説明できるか少しできる
競争優位性が説明できるか少しできる
その会社の成長サイクルが説明できるか少しできる

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