【株価予想】マークラインズ2025.12期

マークラインズ

理論株価計算の流れ

以下の流れで将来のEPSと妥当なPERを仮定し、最終的にEPS×PERで理論株価を求めていきます。投資するとき/売却するときの価値基準として理論株価を使用することで、メンタルに左右されない取引が可能になります。

私の理論株価計算の流れ
STEP①売上高成長率を仮定する
STEP②変動費と固定費を概算する
STEP③コストの先行きを予想する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する

各工程の詳細は以下の記事で説明しています。

STEP①売上高成長率を仮定する

【(3901)マークラインズ】(2020.12期)
成長余地潜在顧客数【現状】3,637社→世界8万社
ストックKPI成長率契約企業数【現状】+12%/年(11年成長率)
【補足】
5年後までの成長率は11~13%と考えました。

STEP②変動費と固定費を概算する

まず連結決算で分かる範囲で考えます。
▼販管費は全て固定費とみなしてよさそうです。
(販売促進費、販売手数料は無視できるレベル)

▼売上原価は連結に内訳がないので単体を参考にします。

→単体の売上原価827Mのうち、固定費(労務費303M、減価償却費33M、賃借料40M)は45%を占めるので、残り55%を変動費と考えます。

変動費と固定費に分類する

以下のように分類しました。
【変動費】491M
連結の売上原価894M×55%=491M
→売上高2,663Mなので変動費率18.4%
【固定費】1,212M
売上原価+販売費及び一般管理費ー変動費

=894+809ー491=1,212M

STEP③コストの先行きを予想する

【変動費率】
・直近の18.4%→以下のように予想
2021.12~2025.12:17~20%
【固定費】
・人員拡充に係る人件費増加90M(毎年8人前後増加)
→固定費80~100M/年増加
・広告宣伝費、減価償却費増加が3M/年程度
→固定費2~4M/年増加

STEP④5年後の利益を計算する

【前提条件】(ここまでの整理)
・STEP①売上高成長率
2020.12:2,663M(連結)
2021.12~2025.12:11~13%
・STEP③コストの先行き
変動費率
2025.12:17~20%(連結)
固定費
2020.12:1,212M
2025.12:1,632~1,722M(連結)
営業利益
2025.12:1,553~1,834M
簡略化し、営業利益の増加と比例してEPSが増加すると考えます。
2020.12EPS 47.8(税引前当期純利益900M)
↓特別損失の影響を外す
2020.12EPS 50.8
(経常利益957M)
↓借入金がないので、営業利益=経常利益とみなして計算
2025.12EPS 82.2~97.1(営業利益1,553~1,834M)

STEP⑤妥当なPERを検討する

以下グラフの見方
・株価:2014.12=1
・EPS:2014.12=1
・PER:2021.3のPER=2021.3株価/2021.3予想EPS
過去平均PERは36倍となり、これを妥当な水準と考えます。

STEP⑥5年後の株価を計算する

STEP④5年後利益→2025.12EPS 82.2~97.1
STEP⑤妥当なPER→36

5年後株価:2,945~3,521円

 

STEP⑦期待リターンを計算する

2021年4月23日終値3,010円を基準とすると、
・(3,521/3,010)^(1/5)-1=3.2%
・(2,945/3,010)^(1/5)-1=-0.4%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。

まとめ

結局上記の計算の場合、現在の株価3,010円で投資すると、5年後の理論株価は2,945~3,521円になり、年率の期待リターンでは-0.4~3.2%になることが導かれました。
しかし、売上高成長率をもっと高めに設定したり、コスト構造を再検討することで、違った結論になります。
ここの「微妙な調整」は、仮説検証を繰り返す中で少しずつ精度を高めていく必要があります。

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