【決算分析】リスクモンスター2021.3期

リスクモンスター

基本情報

東京商工リサーチの情報活用しネットで審査、与信管理サービス提供。教育やBPO事業も(ヤフーファイナンス)

仮説検証

リスクモンスターの2021.3期決算発表を踏まえ、仮説検証する。

【仮説】(2020.3期時点)

前提:ID数、ユーザー数の堅調増加による業績拡大
2021.3期EPS予想レンジ 40.1 ~ 48.7

【検証】(2021.3期時点)

2021.3期EPS(実績) 57.5
予想中央値からの乖離率 +30%

≪上方乖離の理由≫ 
①売上高はKPI堅調増加の結果、12.7%増収。 (予想:+4~6%)
②粗利率(=1-変動費率)は改善(55%→57%)
BPO大型スポット案件(黒字化)が想定外。
③販売管理費は1,223M→1,355M(+132M)に増加。 (予想:+57~63M)

≪参考≫2020.3期 2021.3期増加率
会員数(人)13,00213,7075.4%

【BS】貸借対照表決算概要


規模
3,126M→6,658Mと、12年前比2.1倍。
資産
・現預金が最も多い。
・有形固定資産(本社)が2015.3期以降増加。投資有価証券が増加中。
負債・純資産
・自己資本比率は低下。

【PL】損益計算書


収入
・ID、ユーザー数増加に伴い、売上高は12年前比+63%になった。
支出
・売上原価も+83%。一方販管費は+33%で、利益率は上昇。
・2011.3期のM&A(サイバックス、日本アウトソース)により、売上原価率上昇。以降、販管費率は低下傾向。
・給料・手当は51%増加(正社員+平均臨時雇用人員:100人→207人で107%増)

【CF】キャッシュフロー計算書


 (比較対象)

イン 税引前当期純利益、減価償却費が多くを占める。
アウト 無形固定資産が多くを占める。

定量分析①(過去の収益性)


収益力は増収効果の中で大きく向上した。

定量分析②(将来の収益性)

FCF(フリーキャッシュフロー)


投資負担は営業CFの範囲内で、営業CFも拡大基調。

会計発生高

 
会計発生高はマイナスで安定。

ROA


ROAは改善傾向にある。
総資本回転率横ばいの一方、営業利益(率)上昇により、ROAが改善。
→2013.3期以降の総資本回転率悪化は、現預金、投資有価証券、有形固定資産(本社)増加によるため、利益の質は悪くない。

定性分析

市場の成長性が説明できるか

信用情報の市場では、下記の通り成長率は高くない。

【帝国データバンクの成長率】
2012.9期の46,191Mから、2020.9期の 51,387 Mに増加
→年率(8年) 1.3% 成長

【東京商工リサーチの成長率】
2012.3期の16,414Mから、2020.3期の 21,003 Mに増加
→年率(8年) 3.1% 成長

競争優位性が説明できるか

(IRページより)「与信管理サービス事業の最大の強みは、独自に判定するRM格付の信頼性と、RM格付や与信情報というコンテンツの提供だけにとどまらないサービスの総合力・・・」
→当社は、東京商工リサーチをはじめ、外部からデータを購入しているため、その加工に付加価値がある認識。

その会社の成長サイクルが説明できるか

決算説明会資料のビジネスモデルでは、サービスの広がり方が分からない。

まとめ

最後に、それぞれの分析結果についてまとめます。 以下の通り、優良な株であることは分かりましたが、投資するには割安度の視点も必要なので改めて別記事で考え方をまとめます。
STEP①定量分析(過去の収益性)
指標基準◎基準〇当社評価
売上高総利益率40%20%57%
売上高営業利益率20%10%18%
売上高当期純利益率10%5%12%
ROA(営業利益ベース)10%5%10%
STEP②定量分析(将来の収益性)
切り口基準◎基準〇当社評価
FCF(フリーキャッシュフロー)安定してプラス大体プラス安定してプラス
会計発生高安定してマイナス大体マイナス安定してマイナス
ROA上昇維持上昇
STEP③定性分析
切り口判断
市場の成長性が説明できるかあまりできない
競争優位性が説明できるかあまりできない
その会社の成長サイクルが説明できるかできない

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