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理論株価計算の流れ
以下の流れで将来のEPSと妥当なPERを仮定し、最終的にEPS×PERで理論株価を求めていきます。投資するとき/売却するときの価値基準として理論株価を使用することで、メンタルに左右されない取引が可能になります。
私の理論株価計算の流れ
STEP①売上高成長率を仮定する
STEP②変動費と固定費を概算する
STEP③コストの先行きを予想する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP②変動費と固定費を概算する
STEP③コストの先行きを予想する
STEP④5年後の利益を計算する
STEP⑤妥当なPERを検討する
STEP⑥5年後の理論株価を計算する
STEP⑦期待リターンを計算する
STEP①売上高成長率を仮定する
【(2152)幼児活動研究会】(2021.3期)
成長余地 | 私立幼稚園だけで 6,000~7,000 | 【現状】 正課体育指導実施会場数 1,193 |
ストックKPI成長率 | 正課体育指導実施会場数 | 【現状】+4% (11年平均成長率) |
正課体育指導実施会場数の伸び率より、
売上高成長率は保守的に3~4%と仮定。
※2022.3期は稼働率が回復し2020.3期の+/-2%と予想
売上高成長率は保守的に3~4%と仮定。
※2022.3期は稼働率が回復し2020.3期の+/-2%と予想
STEP②変動費と固定費を概算する
▽2021.3期有価証券報告書より
非連結決算なので、詳細が比較的わかりやすいです。
変動費と固定費に分類する
以下のように分類しました。
※2021.3期は参考にならないので、2020.3期で計算
※2021.3期は参考にならないので、2020.3期で計算
【変動費】1,348M
売上原価-人件費(売上原価)
=4,520-3,172=1,348M
→売上高6,729Mなので変動費率20.0%
売上原価-人件費(売上原価)
=4,520-3,172=1,348M
→売上高6,729Mなので変動費率20.0%
【固定費】4,259M
売上高-営業利益-変動費
=6,729-1,122-1,348=4,259M
売上高-営業利益-変動費
=6,729-1,122-1,348=4,259M
STEP③コストの先行きを予想する
【変動費率】
2016.3→2020.3期の間では25%→20%に低下
→今後5年間は18~20%と仮定
2016.3→2020.3期の間では25%→20%に低下
→今後5年間は18~20%と仮定
【固定費】
・人件費+90~110M
・地代家賃、広告宣伝費他20~30M
↓
110~140M/年増加
・人件費+90~110M
・地代家賃、広告宣伝費他20~30M
↓
110~140M/年増加
STEP④5年後の利益を計算する
【前提条件】(ここまでの整理)
・STEP①売上高成長率
2022.3期:稼働率が回復し2020.3期の+/-2%と予想
→6,594~6,864M
2023.3~2026.3期:3~4%成長
→7,422~8,029M
・STEP③コストの先行き
変動費率
18~20%
固定費
110~140M/年増加
営業利益
2020.3:1,122M
2026.3:1,169~1,835M
・STEP①売上高成長率
2022.3期:稼働率が回復し2020.3期の+/-2%と予想
→6,594~6,864M
2023.3~2026.3期:3~4%成長
→7,422~8,029M
・STEP③コストの先行き
変動費率
18~20%
固定費
110~140M/年増加
営業利益
2020.3:1,122M
2026.3:1,169~1,835M
簡略化し、営業利益の増加と比例してEPSが増加すると考えます。
2020.3EPS 67.7(営業利益1,122M)
2026.3EPS 70.5~110.7(営業利益1,169~1,835M)
2026.3EPS 70.5~110.7(営業利益1,169~1,835M)
STEP⑤妥当なPERを検討する
以下グラフの見方
・株価:2015.5=1
・EPS:2015.5=1
・PER:2021.3のPER=2021.3株価/2021.3予想EPS
過去平均PERは12倍となり、これを妥当な水準と考えます。
STEP⑥5年後の株価を計算する
STEP④5年後利益→2026.3EPS 70.5~110.7
STEP⑤妥当なPER→12
↓
5年後株価:854~1,308円
STEP⑤妥当なPER→12
↓
5年後株価:854~1,308円
STEP⑦期待リターンを計算する
2021年6月28日終値1,138円を基準とすると、
・(1,308/1,138)^(1/5)-1=2.8%
・(854/1,138)^(1/5)-1=-5.6%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
・(1,308/1,138)^(1/5)-1=2.8%
・(854/1,138)^(1/5)-1=-5.6%
※「^(1/5)」は年率何%成長かを求める計算です。
まとめ
結局上記の計算の場合、現在の株価1,138円で投資すると、5年後の理論株価は854~1,308円になり、年率の期待リターンでは-5.6~2.8%になることが導かれました。
しかし、売上高成長率をもっと高めに設定したり、コスト構造を再検討することで、違った結論になります。
ここの「微妙な調整」は、仮説検証を繰り返す中で少しずつ精度を高めていく必要があります。
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